ヒメスズメバチを捕獲……ではなく回収!
空中庭園はビルの上層にあるのだが、たまに根性のある虫が飛来することがある。
そのスズメバチはもう死にかけであり、飛ぶこともできない様子だった。よくここまで飛んできたものである。
踠いているのをしばらく見ているうちに動きが弱まったので、つまんで拾い上げてみた。
スズメバチは死にかけであっても毒液を警報フェロモンとして噴射することがあるため、本当は近寄るのもあまり良くないのだが、好奇心には勝てなかった。
此奴はヒメスズメバチと思われる。腹の赤色が特徴である。
大型だが比較的温厚な性格をしており、巣を蹴飛ばすなど露骨な攻撃をしない限り、滅多には刺さないそう。
しかもこいつは見た所雄蜂で、そもそも毒針を持っていないようだった。
スズメバチは飛んでいるとただ怖いだけだが、じっくり観察すると結構かっこいい形をしている。
顔のサイズはたった5mmほどだが、かなり精巧な作りだ。
触覚に単眼に複眼、大顎……どこを見ても端麗で機能美を感じる。
写真を何枚か撮り満足したので、その場に置いてその日は去った。
……そして今日。また空中庭園に行ったらまだアイツは転がっていた。
まだ掃除されていなかったようだ。掃除さえされなければ、野生動物に食われることはほとんどないため、そのままになる。
ここで再び会ったのも何かの縁!ということで持ち帰ることにした。
甲虫やセミなどはじっくり観察したことが何度かあるが、スズメバチはない。刺されることを考えると恐ろしくなってしまって、どうしても捕獲する気になれないのである。
そんなスズメバチが、しかも針のない個体が死んでいたから、これはラッキー!と。
写真を撮ったり、細部を色々観察したかったため、とりあえず持ち帰ることにしたのだ。
自宅にて改めて写真を撮影。
一眼レフのマクロレンズが欲しくなった。こういう小さいものを綺麗に取れるようなレンズを持っていないため、今回ハチの写真は全てiPhoneで頑張って撮影している。
割と綺麗な状態。翅は少し折れてしまっているが、それ以外は破損も欠損もない。
オオスズメバチなんかは目が小さくて結構な悪人面であるが、こいつは雄蜂というのもあってか結構可愛い気がする。
オオスズメバチは怖い。昔カブトムシ等の最終に出かけたとき、私はザトウムシと同じくらい警戒していた。(ザトウムシは単純にキモいのでキツい)
さて。
せっかくだから樹脂標本か何かにしたいが、あいにく処理に必要な道具もないし、今ちょうど金欠でそれらを揃えるお金もないので、とりあえずプラスチックケースに入れて保存。
虫は外側が骨みたいなものなので、中身は腐るが外側は腐らない。しばらくは放置しておいても大丈夫だろう。
そのうち処理を考える。その時が来たらまたブログで報告するつもりだ。
ではまた!
P.S.ヒメスズメバチの生態はこちらのサイトに詳しく載っています。