ヘリボーンコレクションに遭遇してしまった。
目次
ヘリボーンコレクションとの出会い〜初戦〜
「ヘリボーンコレクション」というのをご存知だろうか。
多分航空……特にヘリコプターのファンでなければ知らない人が多いであろう、伝説の食玩である。伝説とは私が勝手に言っているだけである。
先日ちょうどイオンモールに行く用事があったので、ついでに何か買おうかとイオン・スタイルを徘徊していた時。
子供向けのおもちゃ付きお菓子が陳列されている棚の最上部に、小さい子供は手も届かないだろうその場所に、それはあった。
これだ。
F-toys製。581円で買えた。
食玩ブースに置かれており、一応お菓子(ガム)も入っているが、きちんとした1/144スケールプラモデルである。
実は「ヘリボーンコレクション」は2004年からシリーズを更新して販売されており、これは世代的には9代目に当たる。(しかしこれは今までのシリーズから救命・防災系のヘリコプターを選んで再販しているものなので、シリーズにはカウントされていない。)
これに遭遇してしまったら買うしかないのである。神が買えと私に囁く。
特に今回は「防災・救急ヘリ」。私の大好きなドクターヘリが入っている。これは買うしかない。買わないなんてありえないレベルなのである。
ということで私はとりあえず一つレジに通した。
今回のヘリボーンコレクションには7種類のヘリコプターがラインナップされている。開けるまで種類がわからないのが難しいところである。
私が欲しかったのは、かねてより愛してやまないEC135という機種のドクターヘリ塗装モデルである。
しかし、流石に一回で出ることはなかった。現実はそんなに甘くない。
一個目は警察ヘリだった。機種は、アメリカのベルヘリコプターが開発した「ベル412」。
500円強で買える食玩だが、クオリティはなかなかのもの。丁寧に組み上げてデカールまで貼れば、相当かっこよく出来上がる。今回から台座が付属するようになったので、飛行中っぽい展示も可能になった。
パッケージから取り出した瞬間は「外れたか…」と少し陰鬱な気分になったが、組み上げたら十分かっこよく、外れなぞ一つもないことを知った。
さらに、のちにこのヘリコプターと全く同じ(機体番号まで同じ)ものを7年ほど前に見ていたことが判明した。ブログ記事をなんとなく漁っていたら偶然発見した。
それを知ってからは、もしやこれが一番の当たりだったのでは!?とも思えてきた。
まさに奇跡の再会(?)であった。
さて。
しかしながら、たといベル412が当たりだったとしても、EC135が欲しい事実は変わらない。私はベル412では満足しなかった。できなかった。
ヘリボーンコレクションとの格闘〜二戦目〜
その次の日にまたイオンモールに突撃した。ヘリボーンコレクションのパッケージは昨日と同じように置かれていた。
私はそこからパッケージを二つ手に取り、少し恥ずかしかったから足早にレジへと向かった。食玩だけ抱えてレジへ向かう高校生のビジョンはあまりかっこよくない。
これで、昨日のものと合わせて三個買ったことになる。かぶる可能性もあるため、EC135のドクターヘリが出る確率はまだ高くはない。
開封結果は予想通りで、やっぱりEC135はなかった。
三重県防災ヘリコプターと東京消防庁のヘリコプター「ちどり」が出た。どちらもイタリアのレオナルド社(旧アグスタ・ウェストランド)が開発したAW139という機種。
お目当のEC135ほどではないが、私はAW139という機体も好きだ。
今回出たものと全く同じものではないが、AW139の写真も撮った事がある。
流線型のフォルムは美しく、ヘリコプター界のフェラーリと言われてたり言われてなかったりする。
組み上げるとこんな感じになる。
ヘリコプターに対して特に興味ない人は、おそらくベル412もAW139も同じに見えるだろうと思う。しかし、価格差にすると15億円くらいの開きがある。確か基本価格が、ベル412は5億円ほど、AW139は20億円ほどであったと記憶している。
AW139はイタリア製高級ヘリなのだ。それもヘリ界のランボルギーニと言われたり言われなかったりする所以なのだろう………ん?フェラーリだっけ?
まあいい。
とりあえず、EC135は出なかったのでまだ購入の旅路は続く。
ヘリボーンコレクションとの格闘〜三戦目〜
その翌日、また私はイオンへ足を運んでいた。もはや中毒者である。今日こそは勝つだろうとパチンコ屋へ向かう廃人ギャンブラーのようなものである。
そして、また一つだけパッケージを手にとってレジへと急いだ。三回目ともなるとだんだんレジまでの動きにキレが出てくる。
四個目もやはりEC135は出ず、またAW139が出た。しかし、前回出たものとは違う塗装なので、ダブった訳ではない。
今回は鳥取県の防災ヘリである。
ここまでで合計四個……金額にしておよそ2000円ほどをヘリボーンコレクションに溶かしており、流石に私も危機感を覚えてきた。このまま行ったら総資産溶かすのでは……?と。
そこで、長期戦になった場合このAW139をいつでも売れるように、組み立てずそのままにしておいた。ブリスターパックも未開封のまま。
ヘリボーンコレクションとの格闘〜最終戦で起こった奇跡〜
そして今日、私は最後の決戦へと向かった。6個目、3000円を節目として、一旦買うことをやめようと決意したから、とりあえずシーズン1の最後の決戦。これ以上は財布の命が危ういという予測の上での判断である。
またイオンモールの玩具菓子売り場へと急いだ。
Twitterで見かけた「各機種ごとの重さの比較」を参考に、楽しそうにお菓子を選ぶ子供たちの横で、一人まるで卒業のかかった試験を解くような形相で玩具菓子の重さを比較する高校生がいた。私だ。親は引いていたに違いない。ほどなくして私の周りから子供達がいなくなった。
そして私は、手にとった中でEC135が出そうだという箱を二つ選んだ。当たれば卒業、外れれば留年である。
レジを通し、急いで自宅へ急行し、開封した。そうしたら、なんと奇跡が起こったのである…
EC135のドクターヘリ以外を綺麗にコンプリートしてしまったのだ。
驚いた。全7種類のヘリコプターを6個買って、まさか一番欲しいもの以外全て出るとは。運がいいのか悪いのか全くわからない。
最後の決戦で手に入れたのは、エアバスヘリコプター(旧ユーロコプター)のEC135・警察ヘリと、エアバスヘリコプターと川崎重工が共同開発したBK117のドクターヘリである。
どちらも日本では比較的よく見かけるヘリコプターだ。報道・救命・警察など幅広い用途で使われている。
私は特にこの青い方の機種が好きなのだ。んで、白い方の塗装が好きなのだ。
青い方の機種が、白い方の塗装で出れば完璧だった。
正直、これは留年と卒業のギリギリのラインだった。あと一つ、一番欲しいものが出ていないが、これ以上買ったらほぼ100%被るだろう。
結局私は卒業の判断を下した。これ以上お金を使いたくなかったし、まあ多少期待にそぐわない形だがEC135もドクターヘリも出すことができた。
そして、長期戦にならず戦争は終わったため、先ほど売ろうとしていたAW139も売らずに済んだ。まだ組み立てていないが、時間があったら組み立てようと思う。
終わりに
ヘリボーンコレクション、これで興味が出たあなた。ぜひイオンモールへ。
くれぐれも沼にハマらぬようご注意を。