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鈍行列車で行こう!飯田線7時間の旅路

日曜日に飯田線に乗ってきた。

 

 

乗り鉄の最高峰 飯田線

飯田線とは、長野県にある辰野駅から愛知県の豊橋駅までのおよそ200kmの区間を、7時間くらいかけて走るローカル線である。

辰野からなら豊橋行、豊橋からなら岡谷もしくは上諏訪行に乗れば、一本の列車で乗り換えせずに豊橋まで行くことができる。それぞれ一日三本ずつある。

 

飯田線は道のりもさることながら、何と言っても時間が長い。7時間というと、東海道新幹線を使えば東京岡山間を往復できるくらいの時間だ。

200kmの線路に91個も駅があるのがその理由である。駅間の距離が平均2km程度しかない。

ローカル線にしては珍しい。だいたい地方の列車というのは駅間が長いものだ。

 

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これは「飯田線直通普通列車豊橋行」といって、厳密に言えば飯田線とは少し違うもの。しかし飯田線と同じであると考えて問題ない。

 

飯田線JR東海区間となるため、車両も東海の313系というのが使われている。

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この車両は転換式クロスシート(列車の進行方向または進行方向の逆側を向いている形のシート)であり、かつ首都圏の通勤電車とは違って座席が比較的柔らかいため、7時間の長旅にも耐えうるだろう。

 

客層は沿線住民はもちろん、鉄オタらしき人も割といた。

青春18きっぷが有効な期間だったのもあるだろうが、席が埋まるくらいには混雑する。

乗り鉄の間では秘境駅を通る路線として結構有名なようだ。

 

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飯田線区間は辰野〜豊橋なのだが、これは直通列車なので辰野より少し手前の上諏訪から発車する。

乗り換えに時間的余裕を持っておこうと、上諏訪には発車20分前に到着したのだが、その時点で列車はすでにホームで待機しており、乗っている人も多少いた。

 

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長野の地で「豊橋行」を見る異質さといったらない。中央本線も愛知まで続いてはいるが、流石に一本でいけるものはない。

 

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普通列車 豊橋 行

 

上諏訪駅発車

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無事席を確保し、しばらくして発車。天気は晴れ。

途中駅にも自販機はありそうだが、買っている間に発車されてはひとたまりもないので、ある程度の飲料は持参。もちろん昼食も持参。

 

車窓の景色がゆっくりと後方へ。

 

JR東海エリアへ

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辰野。ここからJR東海の管轄エリアに入るため、路線を示すラインが緑からオレンジ色に変わっている。

路線カラー?はJR東日本が緑、東海がオレンジ。ちなみに西日本は青だ。

各社の駅名標を見れば確認できるだろう。

 

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飯田線秘境駅路線というイメージがあるが、しかし辰野を出てもしばらくは秘境を走っている感じはしない。家も建っているし、学校もある。

東京でも青梅線の特に青梅から先はこんな感じだった気がする。

 

飯田駅Ωかーぶ

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この近辺は本当にカーブが多い。

この飯田駅なんかは「Ωカーブ」と言われるカーブの途中の駅だ。

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「Ω」が横に倒れたような線路の形。

伊那上郷から下山村まで、飯田線は相当遠回りなルートをたどる。

途中の駅はカーブが急すぎて、車両と駅との隙間が相当大きくなってしまっていた。

blog.nagano-ken.jp

 

このΩカーブを利用して、伊那本郷から下山村まで電車と競争する、通称「下山ダッシュ」というエクストリーム・スポーツも存在するらしい。

電車と競争なんて普通なら電車の圧勝に決まっているが、飯田線はΩカーブがある上に停車駅がやたら多いため、人間側が最短距離で走れば結構いい感じに競えてしまうのだ。

 

ここまででおよそ3時間。

ここからが飯田線の「秘境駅区間」だ。

 

人里の境界 天竜峡駅

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天竜峡駅が、ちょうど都市と山間部の境目となる。

記事冒頭で「豊橋までダイレクトに行けるのは一日三本」と書いたが、それ以外は飯田もしくはここ天竜峡を終着駅とする電車が多い。もちろん直通列車でなくとも、乗り継げば豊橋まで行ける。

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この先はいよいよ道すら見られない山のみのエリアだ。

 

ろーかる・らんどすけーぷ

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草木が車体をこする。相変わらずカーブが多いためあまりスピードは出していない。

 

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山間部ではトンネルも多くなるため、運転席は前が反射で見えなくならないようカーテンが降ろされる。しかし、右側だけは開いていたから、前方の景色が全く見えなくなるわけでは無かった。

写真右方の黒い服の男性は、一眼レフを構え、度々前方の景色を撮影していた。

(手前に立っている友達を撮った写真の背景を切り取ったものなので、ピンボケしている上画質も悪いがご容赦いただきたい)

 

天竜

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割と太い川が飯田線の隣を流れている。天竜川だ。

翡翠色の水が穏やかに流れる。

 

緑の中井侍駅

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中井侍駅。近くに民家がある。

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コンクリートでできたプラットフォームには駅名標と簡素な待合室のみ。

駅ノートなるものもあるようだ。

下車して周辺を歩きたい気分ではあるが、この電車を降りると2時間半程度電車がないため断念。

 

中部天竜駅

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まあまあ大きい駅もある。これは中部天竜駅

ちなみに、ローカル線ではあるがワンマンではない。乗務員は少なくとも3人はいた。

 

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駅を出るとまたトンネルへ入ってゆく。

 

対向列車と待ち合わせ

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場所は三河槙原駅

この近辺まで来ると先ほどの中井侍駅ほどの秘境感はなくなるが、しかしやはり周囲は緑に囲まれているし、見上げれば崖だってある。十分に山の中だ。

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しばらく停車していると、駅の踏切が鳴り始める。豊橋側から電車が来るようだ。

ホームは島式で、改札のある駅舎に行くにはこの踏切を渡る必要がある。

跨線橋や地下通路などはない。

 

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対向車は211系(多分)。国鉄車両なのでJR東日本でもJR東海でも見かける。

 

終着駅豊橋

三河槙原駅の時点で発車から五時間半が経過しており、残すところ一時間半程となった。

流石に尻が痛くなってきたため立ってストレッチなどをする。

 

車窓からは建物が散見されるようになり、都市に近づいている感じがしてくる。

 

豊橋駅到着

16時16分。長い長い飯田線の旅は終わった。

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しかし予想していたより長くは感じなかった。本当に7時間経ったんだろうか。

 

総評

飯田線は面白かった。東京ではなかなか体験できないカーブ、景色、そして駅数がそこにはある。

 

ひとつ残念な点を挙げるとすれば、乗客の鉄オタ率が割と高めであるため、若干秘境駅感が薄れてしまうところだ。鉄オタは私も含め、停車駅でやたらと降りる。秘境駅ならばやはり人はいないか、一人二人くらいが雰囲気的にはちょうどいい。

もっとも、これはお互い様であって、相手も感じていることではあるだろうが。

もっと秘境駅を感じたければ、もっと意味わからん路線を探そう。

 

今回は上諏訪豊橋ルートを辿ったが、もちろん逆から攻めることも可能。

あと、飯田〜豊橋間は特急「ワイドビュー伊那路」が一日二本走っている。こちらを使うと特急料金はかかるものの、停車駅が少なく、サクッと飯田線を攻略することができる。また、飯田線秘境駅号という、まさに観光向けっぽい列車も走らせているようだ。いかんせん線形が悪いから、スピードは出せないようだが。

 

みんなも乗ってみよう飯田線

晴れた夏の日がおすすめだ!

 

 

追記:その後

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浜松から東海道線熱海行き。33駅。割と長い。

 

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地獄のロングシート。個室感が全くない、いわゆる通勤電車という感じ。

 

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温泉やら飯やらで熱海に寄ろうと計画していたのだが、東海道本線ロングシートにやられてしまい(実際こっちの方が飯田線より辛かった)、行く気を失ってしまったので東京まで直帰することにした。

 

熱海駅からは見慣れたJR東日本駅名標E231系が迎えにやってきた。

E231系は全く嫌いではない、むしろ好きな部類だが、シートの硬さだけは受け入れがたいものがあった。

 

そんなこんなで直帰しても東京に着いたのは22時過ぎ。体感的に豊橋から東京までが一番長かった。